ダイエッターNのつぶやき

管理栄養士の実務の話とヨガと雑談

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経口維持加算Ⅰ算定にあたり行っている業務

前回栄養ケアマネジメントについて書きましたが

 

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今回は、さらに1ステップあげて、経口維持加算Ⅰについて書きます。

 

経口維持加算Ⅰの算定にあたり、私がやっている行っている業務です。

具体的なケア内容ではなく、最低限やらねばならぬ書類のことを書いています!

みんな!書類揃えて加算算定しないとだめだから!

栄養ケアを学ぶのも大事だけれど、加算算定に必要なことも知っててねって

後輩に語るイメージで書いていますので、若い栄養士さんや未経験栄養士さんは参考にしてくださいね。

 

 

経口維持加算Ⅰとは?

経口維持加算Ⅰの単位は毎月400単位です。

「摂食嚥下障害がある利用者」に対し「医師の指示」に基づいて管理栄養士が「毎月経口維持計画を作成」し「他職種で食事観察」を行い「経口維持についての会議」を行うことで算定できます。

前提として栄養マネジメント加算を算定していなければならず、低栄養リスク改善加算との同時算定はできません。

必要書類はこの4つ!

まずは、書類の種類から。

 

書類は

①飲水テストの記録用紙

②医師の指示書

③経口維持計画書(栄養ケア計画ど同一書式で一緒に作成)

④ミールラウンドと多職種で会議をして作成した経口維持計画の内容をまとめた書式

の4つを作成しています。

 

公式に発表されている経口維持計画書の内容を③と④の分散させて使用しています。

公式なのはここにあります。

公式の書類はかなり使用しづらいので、内容は網羅しつつ、見た目は全く違うような内容に作り変えています。

 

①と②はオリジナル書式です。これがあるほうが青本(介護報酬の解釈)に沿った業務がしやすいと判断したためです。

 

①は飲水テストを行った記録を書いているだけのもので、②は飲水テストの結果をふまえてドクターにサインをもらう書類です。

②はチェックだけで指示が出せるように工夫しているので、医師の負担も減らせるように作成しています。

また、②の書類は6か月以降毎月指示を出してもらえるような欄も作成しているので、非常に使用しやすいなと個人的には思っています。

 

次に、行っている業務を6段階にわけで解説します。

 

1.飲水テストの実施

飲水テストを実施します。

改定水飲みテストというもので、管理栄養士だけでも比較的安全に行うことができるため採用しました。

当施設にはSTがおらず、嚥下テストのために忙しい看護師の手を借りるわけにもいかないので…。

フードテストは誤嚥が起こるリスクが高いため行っておりません。

 

経口維持加算算定にあたり

 

まるごと図解 摂食嚥下ケア

まるごと図解 摂食嚥下ケア

 

 

という本で勉強をしましたので、その本にしたがってテストを行っています。

楽天リンクも貼っときます。

 

飲水テストの対象者は、「水分にトロミをつけている人」または「嚥下調整食を食べている人」です。当施設では全員を対象には行っておりません。

 

2.医師の指示

飲水テストの結果を記録し、医師へ報告を行います。

その際に医師の指示書を持参し、経口維持計画を算定したいので指示をだしてもらえるかお伺いをたてます。

OKがでれば指示書を作成してもらえるので、経口維持計画作成の業務に入っていきます。

 

3.食事観察(ミールラウンド)

医師の指示が出たら、まず最初に食事観察を行います。

食事観察は「他職種」で行い、管理栄養士はもちろん、医師、看護師、介護士、リハビリ(PTorOT)に入ってもらいます。

管理栄養士は栄養状態や食事形態を検討し、リハビリさんは姿勢や動作の評価、看護師や介護士は普段の食事の様子を他の職種に伝える…ような形式でラウンドをしています。先生に食事の様子について意見を求めることはなかなかハードルが高いのですが、先生からは「食事の様子と普段の様子が全く違うため食事をみることで普段の診察に役立つ」といっていただいています。

食事観察って意外と簡単にはじめられます

食事観察を行います!というと大げさに聞こえますが、看護師か介護士は食事中にフロアにいるため、わざわざこのために集まってもらう必要はありません。少し距離が離れていても、食堂にいれば食事の様子は見てもらえますし、話しかければ普段の食事で気になっていることも教えてもらえます。

医師は参加できるときのみ参加してもらっています。

そのため、加算算定を始めるために業務負担をお願いしたのは、リハビリさんのみでした。

 

4.経口維持計画についての会議

食事観察の記録を書式④に記載します。

内容は、食事観察をした際の利用者の様子と、各職種からでた意見を集約した内容です。

経口維持についての会議は給食会議のあとの2,3分で簡易に行っているのですが、会議の記録があれば監査上は問題ありません。

 

実際の会議は報告程度で、ミールラウンドの立ち話がプチ会議になっている…!

「会議の記録があれば監査上は問題ありません」というとまるで算定のためだけに業務をしているようにみえてしましますが、実際に会議室に集まるとあまり意見って出てきません。

書類上会議をしないといけないので経口維持についての会議を開いていますが、実際はミールラウンドが終わった後すぐに意見交換をするので、それが会議の役割を担っています。

立ち話プチカンファレンスみたいな内容ですが、経口維持計画作成のために十分な中身が話し合えているので、その記録を漏らさないように記入し、会議ではそれに正式に承認をもらっている…ような流れです。

 

5.経口維持計画作成⇒家族の初回同意

次に、経口維持計画を栄養ケア計画と同一の書式として作成します。

栄養ケア計画と経口維持計画はいやでも連動しますので、栄養・食事ケアの内容を記載していれば経口維持計画書が完成するはず。

栄養ケア計画との差は「食事中の姿勢」「とろみの有無」「嚥下コード」「食事中にむせがないか」等を書いているくらいです。

また、加算を400単位/月いただきますので、その旨も記載しています。

これができたら家族様に初回のサインをもらいます。サインをもらった月から算定が可能になります!

 

6.毎月家族へ送付し同意を得ることと、3か月に1回サインをもらう

介護報酬の解釈を読むと「経口維持計画は毎月作成が必要で毎月同意をもらいなさい」という記載があります。そのため、家族のサインはなくとも、家族が毎月計画に同意している必要があります。

私が書式③と④を分けている理由はこのためなのですが…。

毎月サインをもらうのはとてもハードルが高いですよね。

 

「同意を得る」とは「サインをもらう」とイコールではありません

ここ、結構ポイントです。

同意を得るとはサインをもらえではない。

 

そのため、毎月作成している④の書類を「毎月家族あてに送付」し、「質問があれば管理管理栄養士まで連絡してください」「なければ同意とさせてもらいますね」というようなお手紙を入れて家族へ送付しています!これで毎月の同意はクリア。

 

サインは栄養ケア計画と一体なので、一緒に3か月に1回もらっています。

栄養ケア計画の業務はこちらにまとめていますので、この流れでサインをもらいます。

 

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7.初回算定より6か月が過ぎたら医師の指示を毎月もらいます

6まで終わったら、あとは3.の食事観察から4.の会議を続けるだけです。

ただし、初回算定より6か月が過ぎれば、医師の指示を毎月もらわなくてはなりません。

私が医師の指示書を別書式にしている理由はこれで、毎月指示を出してもらう業務を簡易にしたかったためです。

指示書が別にあれば、継続にチェック&サインをするだけで指示がもらえるようにすれば先生の負担も増えません。

 

認知症の方に対しては…

介護報酬の解釈によると、「認知機能に課題がある」場合で飲水テストを正しく行えない場合は経口維持計画の対象としても良いという内容が書いてあります。

そのため、当施設では「飲水テストを行っていない」「認知症の」「嚥下調整食が必要又は水分トロミが必要」に対して「医師が嚥下機能の維持のために経口維持計画を作成するべき」と判断して指示を出したというケースでも算定しています。

 

現場では「認知症」で「飲水テストを行いたいけれど指示が伝わらない」「嚥下調整食を食べている」利用者がたくさんいるはずです。介護報酬の解釈をよく読まなければ、もっと難しい検査をしないと算定できないのかな?というふうに読み取れてしまいます。

 

しかし、よく読むと「認知症の」「嚥下調整食が必要又は水分トロミが必要」に対して「医師が嚥下機能の維持のために経口維持計画を作成するべき」と判断した場合は算定しても良いということが読み取れます。

 

私もこれに気づいてから、飲水テストをしていない利用者で算定できるのではないかと考え、実際に都道府県に質問をしました。結果、うちの自治体では算定しても良いとの回答をもらえました。実地指導もクリアしています。

②医師の指示書に、医師が「認知症」であること、病名が付けられていない場合は認知機能のテスト(長谷川式)の結果を記載した上で経口維持計画が必要であると書いてもらっているので、うちでは算定ができていますよ。

これならば、高度な嚥下検査ができない小さい施設でも経口維持計画の算定ができるケースが増えるのではないでしょうか。

 

ただ、これをする場合は念のため管轄の県民局にきいてください。

実地指導では監査員の栄養士より、事務方の役人さんの意見のほうが強いので、これをやる場合はキッチリお役所のOKをもらってね。

 

さいごに

さて、経口維持加算Ⅰについてお話しました。

加算は貪欲に算定していきましょう。

せっかくある制度なので、どんどん加算を算定して、管理栄養士を中心に加算を算定させてもらわなければ…。

管理栄養士が稼げない職種になってしまうと、配置してもらえなくなってしまうので、私たちも稼げるってところをアピールしていきましょう。

 

いい栄養ケアをしても、コストばかりかかる赤字部門でいてはいけません。

赤字部門になったら、そのうち常勤パートでしか雇ってもらえない職種になってしまうかもしれません。

 

ということで、未経験の管理栄養士さんの参考になればうれしいです。