ダイエッターNのつぶやき

管理栄養士の実務の話とヨガと雑談

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低栄養リスク改善加算算定にあたり実施している業務

介護保険施設における管理栄養士業務について書いている当ブログ。

今回は、低栄養リスク改善加算の算定について私がやっている業務を解説します。

低栄養リスク改善加算は算定要件が難しく、分かりにくくて困っている新人さんも多いのではないでしょうか。

ぜひ、参考にしてくださいね。

 

 

低栄養リスク改善加算とは?

 低栄養リスク改善加算とは、「入所時に」低栄養リスクが「高」である利用者に対し、管理栄養士が「毎月栄養ケア計画」を作成し、「管理栄養士が週5回の食事観察」を行った際に算定できる加算です。さらに、「医師の指示」と「毎月の会議」も必要です。

算定できる単位は毎月300単位。原則として6か月間のみです。

 

低栄養リスク改善加算算定にあたり行っている業務

次に、低栄養リスク改善加算の算定にあたり行っている業務をまとめました。

必要書類は次の通りです。

・栄養ケア計画書(栄養ケアマネジメントと同じなので実質仕事は増えない)

・食事観察の記録

・会議録

では、早速業務の流れを解説します!

1.入所前の栄養スクリーニング

入所時に栄養スクリーニングを行います。

栄養スクリーニングの結果、高リスクとなった利用者に対して算定ができるためです。

私の施設では褥瘡マネジメント加算を算定しているので、実質はアルブミンが3.0を下回っているかどうかのみの確認としています。

2.入所時栄養ケア計画と医師の指示をもらう

入所にの栄養ケア計画を作成します。

栄養ケア計画書はこの加算に関係なく「栄養マネジメント加算」に必要なので全員に作成している書類です。

栄養マネジメント加算しか算定していない人との違いは

「低栄養リスクが高い」ことを「医師が認めて計画作成を指示している」ことが分かるようにしています。

 

具体的には「アルブミン2.6より低栄養リスクが高いため毎月の栄養ケア計画作成の必要性がある。(PC入力)医師:〇〇(直筆サイン)」ような文言を計画書内に入れるということです。

 

さらに、加算算定のため300単位/月がかかることを記入し、家族への説明とサインを済ませられるように作っています。

 

こうすれば一枚の種類に医師の指示と家族への説明をまとめられます。

 

栄養ケア計画書の作成方法はこちらで詳しく書いていますので、これの応用バージョンです。

 

www.pekolog.com

 

3.週5回の食事観察とその記録を作成する

低栄養リスク改善加算算定のためには管理栄養士が週5回食事観察をしなければなりません。

私は、「日付・昼食」「食事についての課題 有・無」「特変 有・無」「有であれば詳細記入」「担当者」ができるようなフォーマットを使用しています。

毎食詳細を書いていると大変ですよね。なので、食事を十分に食べられている場合は「課題無」に〇をすれば良いだけにしています。

特変についても、毎日量が多いと訴えている利用者であった場合は、詳細は前日までに書いているので「特変無」に〇をすれば良いだけにしておくと楽です。

週5回文書記録は難しいので記録は簡略化が重要。

もちろん、週5回は関わっているので、変更の必要があった場合は栄養ケア計画の経過記録に記入して随時対応しています。

 

食事摂取量は熱型表に毎食記録されているので、重複するため自分の記録には書いていません。

 

私が休みで週4勤務しかしていない場合は、前日の申し送りに出席し、夜勤看護師や介護士に変わったことがなかったか聞き取りを行い「〇月〇日夕食」「課題の有無や特変」「担当看護師or介護士」「ききとり栄養士」を記録しています。

 

4.毎月栄養ケア計画書を作成する

栄養ケア計画の作成は「毎月」しなければなりません。変更がなくても毎月です。これが加算の算定要件です。そして、毎月家族の同意を得る必要があります。

私は3か月に1回全員の栄養ケア計画書の作成とサインをもらっているので、

間の2か月分は家族に郵送しています。請求書に同封をしておけば簡単です。

「〇〇月分栄養ケア計画書です。質問があれば管理栄養士までお願いします。なければ同意をみなします」という内容のお手紙を添えて郵送し、その控えはカルテに保管します。

そうすることで毎月の同意はクリアです。「同意を得ればよい」のであって「サインをもらえ」ではありませんので。

3か月に1回のサインのもらい方は栄養ケア計画書の解説で書いていますので、そちらを参考にしてください。

 

5.毎月他職種で会議をして記録を残す

次に、栄養ケア計画については毎月会議をしておかなければなりません。

これは、給食会議・経口維持加算のための会議と同時に行っています。

その方の今の栄養状態と食事についての課題、他職種の意見を聞いて会議記録を残しておきましょう。

 

低栄養リスク改善加算は算定要件が難しい!注意事項3点

低栄養リスク改善加算の算定は要件が少し複雑です。下記の3つに注意してください。

 

入所時低栄養リスク「高」にしか算定できない!

 低栄養リスク「高」とは、栄養スクリーニングを行った結果、低栄養リスク「高」となった利用者です。

低栄養リスク改善加算を算定できるタイミングは「入所時から6か月のみ」で、入所期間中に高リスクになった場合はもちろん算定できません。

 

栄養スクリーニングのやり方がわからない方はこちら。

 

www.pekolog.com

 

実務として行っていると「低アルブミン」の方だけに算定できるのが現実のようです。

後に述べますが、褥瘡有りで高リスクとなった場合は他の加算が算定できないので、おそらく褥瘡有で高リスクとなった方を算定している施設はそんなに多くないのではないでしょうか。

また、体重減少率は入所時には正確に計算できないため、体重減少率で高リスクと判定できるケースはほとんどないのではないでしょうか。「入所時」に「正確な1か月前体重」を把握することはできないためです。

経口維持加算との同時算定はできない

 低栄養リスク改善加算は、経口維持加算との同時算定はできません。

経口維持加算のほうが点数が大きいので、「低栄養」で「嚥下障害がある」場合は低栄養リスク改善加算ではなく経口維持加算を優先した方が施設の利益は大きいです。

 

褥瘡有りで高リスクとなった場合は全員に対し褥瘡マネジメント加算を算定できない

 介護報酬の解釈の書き方がややこしいのですが、褥瘡マネジメント加算を算定している場合(分からない場合は事務や看護部長、事務長などにききましょう)について「低栄養リスク改善加算を算定する1名のみ褥瘡マネジメント加算を算定しなければ、低栄養リスク改善加算を算定しても良い」ような読み取り方ができます。

褥瘡マネジメント加算は施設全員を対象とした加算なのですが、低栄養リスク改善加算と同時算定ができないため、褥瘡マネジメント加算をその1名だけ算定しなければ良いと読み取れてしまう書き方をしているため、非常にややこしいです。

 

しかし、これに対して大阪府が公式にQAを出しています。タイトルは「平成30年度報酬改定Q&A(大阪府版)」なので検索してみてください。その中に下記の内容が記載されています。

「低栄養リスク改善加算を算定している場合は、入所者全員に対しての算定ができないとするのか。」に対し「褥瘡「有」で低栄養リスク改善加算を算定する場合は、入所者全員に対しての算定ができない。褥瘡「なし」で低栄養リスク改善加算を算定する場合は入所者全員に対して算定できる。」

つまり、1名だけ褥瘡マネジメント加算を算定しないということは認めていないのです。

 

大阪府のQAなので他の都道府県も必ずこれに沿うわけではありませんが、県民局等の質問をし、県だけで回答できない場合は国に確認をしてから返事がくるものなので、おそらく他の都道府県でもこれに準じておくべきでしょう。正確な回答がほしい場合は、自分の勤務している施設の自治体に聞いてみてください。

 

 さいごに

低栄養リスク改善加算は算定要件が非常にややこしいです。

 

行うべきことは「毎月の栄養ケア計画(それについて他職種で会議をしておく)」「週5の食事観察」「医師の指示」の3点のみがポイントですが、同時算定できないケースや算定できるタイミングが難しいという点があります。

 

事務系の処理が分かりにくいときは、請求事務の方と一緒に整理していくとよいでしょう。